令和8年3月7日(土)、福島市で開催された「難病サポーター講座(車いす体験編)」に参加しました。
この講座では、難病についての基礎知識を学ぶだけでなく、患者さんが日常生活で直面している困難や不安を具体的に理解するとともに、実際に車いすに乗って基本操作も実習しました。難病の支援者だけでなく、難病患者本人やその家族なども参加できる体験型の講座です。
こちらが講座開催前に私がXでポストしたものです。
会場の福島市保健福祉センターまでは、福島駅発着の「市内循環ももりんバス(2コース)」に乗って行きました。ももりんバスの経路は1コースと2コースがあり、市内要所の各停留所に停まります。経路内であれば、どこから乗ってもどこで降りても運賃は100円という良心的なコスパも魅力です。以下が経路図です。

ちょうどこの時期、福島県立美術館では「大ゴッホ展」が開催中で、この展示会を観に行くであろう人たちでバス乗り場は行列ができていました。
ちなみに、下の写真のように県立美術館行きも保健福祉センター行きも駅前バスターミナル9番乗り場からで、バスの行先表示器が「2コース」のバスに乗った方が近いです。

1コースのバスに乗ってもこれとは逆方向に行くだけであって、結局は2コースと同じ停留所(時間帯によって一部変更あり)に停まります。なので時間に余裕があれば、私のように久しぶりに福島駅に来る者にとっては100円というコスパで駅から市内1周約20分のプチ巡回バスの旅もいいものだと感じました。
前半-難病についての座学や難病サポーターについて
会場に到着して受付を済ませると、整理番号が書かれた紙を渡されました。どうやら車いす体験の時に、この番号をもとに班分けがされて実習が行われるようです。席について周りを見ると、参加者は約30名ほどでした。
開会のあいさつ後、保健所の職員から「難病とは何か」や「難病サポーターの役割」などについての講座を受けました。以下に講座内容の要点をまとめます。
※プライバシーの都合上、会場風景の写真は撮影しておりませんのでご了承ください。
- 難病と指定難病の定義
- 指定難病の医療費助成制度
- 保健所の支援体制
- 福島市における難病患者数と代表的な難病
- 難病サポーターについて
①難病と指定難病の定義
一口に難病といっても非常に数多くの病気があり、同じ難病でも「指定難病」に分類される病気もあるため、初めて名称を聞く方は理解が難しく混同しがちです。またそれぞれに定義も存在するため、その点についてわかりやすい説明がありました。
なお、難病と指定難病の定義については下記リンクをご参照ください。

②指定難病の医療費助成制度
指定難病にかかっている患者の医療費負担を軽減するため、医療費の一部が助成される制度があります。助成を受けるには、症状が国の定める診断基準を満たしたうえで、下記のどちらかに該当する必要があります。
- 重症度分類
- 軽症高額
申請書類を提出し、審査で承認されると「指定難病医療費受給者証」が交付され、医療費の助成を受けることができます。
重症度分類や軽症高額、および受給者証の内容については下記リンクからどうぞ。

③保健所の支援体制
保健所では難病の患者さんに対して様々な支援策を講じています。
(1)医療費助成の申請
指定難病の確定診断を受け、受給者証の申請をする患者(またはご家族)の受付業務
(2)面接・電話相談
病状や生活状況、家族関係を把握し、病状の変化にともなう悩みなどに応じられるよう情報提供をする
(3)医療機関等への連絡
病院や訪問看護、また介護状況を把握して介護事業所とも連携し、連絡を取り合う。その他、制度の紹介や交流会、講演会の開催など
④福島市における難病患者数と代表的な難病
福島市に限ってのデータとして、難病患者数と代表的な難病について示されました。その中で、り患数が多かった難病が「潰瘍性大腸炎」です(ここでは患者数を伏せます)。次いでパーキンソン病、全身性エリテマトーデスと続きます。
潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜に炎症や潰瘍ができる病気で、腹痛や下痢、血便などを繰り返します。原因は不明で、免疫の異常が関与すると考えられています。慢性的に経過するため定期的な診察や生活管理も重要とされています。
現在では、治療薬によって症状の改善や緩和が図られることが多くなりました。
⑤難病サポーターについて
難病サポーターとは、難病に対する正しい知識を持ち、難病の患者さんやそのご家族を温かく見守り支援する応援者です。
具体的には、難病の更新申請受付会場や交流会開催時での手伝いをはじめ、保健所や難病関連団体が主催する事業においてボランティアとして活動します。
なお、難病サポーターに登録できる方は以下の対象者となります。登録料は無料です。
- 福島市保健所主催の難病サポーター講座修了者
- 難病ボランティア活動経験者
難病サポーターに必要な言葉、それは「なにかお手伝いすることはありますか?」です。
この声掛けが応援の始まりです。

後半-車いすを押す・乗るの両方を体験
休憩後、受付時に渡されていた整理番号をもとに、参加者同士が2人1組になって車いすに乗る人・押す人に分かれて実習を行いました。
●室内での基本操作
まずは職員の方から車いすの構造や基本操作、注意点について説明を受けました。その後、室内で前進・後退・方向転換などの基本動作を練習しました。
次にマットを数枚重ねて段差を作り、車いすに人を乗せたままその段差に乗り上げ、どのぐらいの力加減が必要なのかを体験しました。これが予想以上に難しかったです。 押す側は力の入れ方を慎重に調整しなければならず、乗る側は段差による車いすの揺れが思った以上に身体に伝わってきます。
単に押せばいいというものではなく、一方では乗っているから楽でいいといったものでもないことがよくわかりました。
●エレベーターでの位置取り
次に、車いすを押しながらエレベーターに乗り、位置取りも実習しました。 車いすが安全に収まる位置はどこか、壁や手すりに車いすの端が当たらないようにするための微調整の大変さ、それに狭い空間での方向転換など、他の利用者との距離感を保ちながらの操作は緊張感をともないました。
●屋外での体験──舗装路・段差・傾斜
エレベーターから降りて屋外へと移動しました。屋外の方が路面の状況は複雑です。石畳や点字ブロックといった地面のわずかな段差でも、車いすがかなりガタガタと揺れるのがわかります。
傾斜もあります。緩やかな上り坂では思った以上に押す力が必要となり、逆に下り坂ではスピードがつきやすくなるため、しっかりとハンドルを握って速度を抑えることが大事です。このように、環境に応じた状況判断が必要だと感じました。
操作に少しずつ慣れてくると、「大丈夫ですか?」「少し揺れますよ」「ゆっくり行きますね」と、ペアを組んだそれぞれが初対面でありながら、そんな言葉のやり取りが自然と生まれていました。
こうした体験を通して、車いすの操作がどれほど繊細な配慮の上に成り立っているのかを学ぶ貴重な時間となりました。

おわりに──体験して初めて分かることがある
今回の講座で車いすに乗る側・押す側の両方を経験したことで、日常の中にある小さな段差や傾斜が時には障害物ともなり得ることを知り、体験を通すことでより具体的に、かつ深く理解できました。
また、今回で難病サポーター講座を修了した私は、所定の登録用紙に記入し、難病サポーターとして登録いたしました。
登録したとはいえ、急に何か大きなことができるわけではありません。 それでもこの日に学んだことを心に留め、日々の中で出会う誰かに少しでも手助けができるなら、その小さな手がやがて大きな原動力となって難病者の支援に結び付くことを信じたいです。
今後は保健所の要請に応じて、無理のない範囲で支援活動に協力していきたいと思います。
なお、当日の講座の様子が福島市のHPに掲載されましたので、以下のリンクからご覧ください。こちらでは講座の様子が写真入りで紹介されています。




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